What's new Apr. 2000


Apr. 15,2000 右肩上がり

わしが転職した会社では、毎月一回土曜日にミーティングがある。

ミーティングの日はTV会議システムを使って、大阪と東京を結び、映像で 顔が見れるようになっていて、これは、会社の一体感を企図してのものらしい。

必ず土曜日なので、月一回は土曜に出勤せねばならず、完全週休二日では ないが、その分、別の平日に休んでもよいようになっていて、 月あたりの休日では完全週休二日の会社と同じになっている。

また、この休日は有給休暇と違って何年先にでも持ち越しが可能で、わしの 上司は二年前の休暇を使っているそうだ。

ミーティングの午前中に事業部毎の利益報告が行われ、社外から講師を呼んで の講演がある。その講師はデザイナーや通訳、ベンチャー企業の社長等、 多岐に渡り、色々な経験談が聞けて面白い。

今日の講師はインターネットビジネスについて講義していたが、八甲田山を 例に出し、550名の大部隊を率いた方が全滅し、10名の少数部隊の方が生き 残った話をしていた。

550名の大部隊の方は、小隊レヴェルから、「わしも行く」と中隊長、大隊長が 参加して、肥大化していったのであるが、吹雪で道に迷うと、山に詳しくない 大隊長が計画立案した人の意見を聞かず、暴走してやみくもに前進し、一人を 除いて全滅させてしまったとの事だ。

生き残った一人というのは、手ぬぐいを割いて木に目印をつけ、あほな大隊長が 実は同じところを闇雲にぐるぐる回って、兵士達を疲弊させている過ぎないと 気づき、「馬鹿にはつきあいきれん」と一人離脱して山を降りたから生き残れた という事である。

この「少数精鋭」が成功するって話を聞くと、前の会社を思い出すのだが、 結局、数だけに拘って、指揮してるのが「あほな連隊長」だったわけで、 離脱したわしが言うのもナンだが、願わくば、小隊が闇雲に前進を強いられて 全滅しない事を祈るばかりだ。

今日は、この講義の後、新入社員の歓迎会で、大阪と東京の二ヶ所で開催 されたが、わしは東京の方へ出席した。これから東京勤務になるので、 東京の新人達の顔ぶれを知っておこうと思ったからだ。

会場はホテルで、いつもと同じく大阪と東京で映像回線が結ばれており、 大阪の会場を観る事ができた。

だが、TV会議システムのカクカクの映像と違い、なんか映像がなめらかだ。 よく見ると衛星回線を使っているようだ。 これは総務を中心として企画したものらしいが、新人歓迎会なんて遊びに、 ようこんだけやるなぁと感心する。

社長は最初、この「無駄使い」にご機嫌ナナメだったようだが、衛星回線 ならではの、大阪と東京で連係した新人達の出し物(寸劇)をなめらかな映像で 御覧になるや、終る頃には非常に喜んでおられたようだ。

なんや、この会社では、新人が毎年劇をするのが恒例らしい。 ホテルの人は、関西ノリで暴走する新人達に引きまくりで「何の会社ですか?」 と言っていた。まぁ、わしもこんな会社は見たことがない(笑)。

今、会社は右肩上がりの様相を呈している。拡大に次ぐ拡大で人が一杯入って 来ている。この拡大もいつか止まるのだろうが、少なくとも、製造業各社が 「ウチが儲ける」と投資をし、ソフトウェア企業のスポンサーとなって くれている間は拡大し続けるだろう。

だから、わしは製造業からソフトウェア企業へ転職した。今は、とあるメイカ のソフトウェアの仕事をしているが、メイカの人曰く、「ソフトウェア要因で 発売時期が遅れる事は許されない」などと言っている。結局は、製造業って 時代遅れの化石どもがのさばっていて、どこも一緒なんやなぁ(おっと、お客様 にそういう事言うたらあかんな:-))。

右肩上がりというのは、何と言っても精神衛生上、大変よろしい。 このメンタルな面が非常に大きい事を実感している次第である。


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Yuji Noizumi
Last modified: Sun May 28 10:21:55 JST 2000