What's new Nov. 2000


Nov. 26,2000 すごい会社3

色々と「すごい会社」のすごさを書いてきたが、今回は開発期間と スケジュールに関する「すごさ」を書こうと思う。

例えば、向こうは「○月×日にオープンさせるのでそれまでに完成させろ」 とは一切言わないので、こちらは実際の開発工数を見積もってスケジュール 表を出した。 出したスケジュールに対しても、「これじゃ困る」なんて事も一切言わないし、 「○月×日にオープンさせますが間に合いますか?」って確認も一切してこない。

で、頻繁に設計変更が必要な追加仕様や変更を度々要求してくる。 「これは、開発期間が延びても構わないから納得のできる内容になるまで サイトオープンはしないのだな」なんて思っていると、ある日突然、 「スケジュールはどうなっているんだ? スケジュールを出せ」なんて言うので、 出すと、「何で遅れるんですか?」と怒り出す始末。

どうも、「スケジュール優先では、リソースに限りがあるので、仕様は追加 できない」「仕様優先では、リソースに限りがあるので、スケジュールを 延ばさざるを得ない」という基本原則をさっぱり理解していないご様子。

しかも、仕様変更と仕様追加の区別もついていない。 ちょっとした味付けの変更を行う「仕様変更」ならば、まぁ、スケジュールに 影響しない範囲で、盛り込めるのだが、スケジュールに多大なる影響を及ぼす 「仕様追加」を仕様が Fix した後も、平然と度々言いつけて来るので、 非常に困りものなのである。

そして、散々仕様をかき回しておきながら、スケジュールの遅れを問題にし、 「スケジュールを管理するのはそちらの責任だ」などとわけの解らない事を 言い出す始末。

大体、下請けなんて発注側がきっちりスケジュール管理しなければ、 働かないなんて当たり前ではないか。

それに仕様を出すのが遅れようものなら、「そちらが仕様を出すのが 遅れたせいでこちらの開発が遅れた」と口実にされてしまう。 過去、10年余り、外注を管理する側として、何度もそういうのは見て来ている し、それが世間の常識ってものだ。

わしが外注なら(って今は外注なんやけど)、当然そう言うし、事実、仕様を 出さないと開発できないのだから、必要条件を満たさない方が悪い。

残念ながら、わしは以前に、発注業者が追加仕様を押し付けて来た際、 ムカついたので、「いつそんな仕様が決まった?」と当り前の事を言ったら 向こうが怒って、わしの会社の専務に泣きついたので、直接のやりとりを 禁じられていて、言うべき事も言えない状態だ。

特にこういう世間知らずには、キチっと言わなければいくらでも増長し、 現状が更に悪化するだけなので、早急に「世間の常識」ってやつを教えて やって欲しいのであるが…

しかしながら、なぜ、こういう普通の企業運営すらロクにできそうにない ところが、WWW を使った商売に乗り出そうとするのだろうか?

恐らく、「Macintosh を買ったら、バリバリにデザインできる」と自分の 能力を一切考慮する事なく、勘違いする人と同じで、今までうまく いかなかったのを自分のやり方では無く、ひたすら他人や道具のせいにして、 WWW という道具を使えば無条件で成功するとでも考えているのだろうか?

それ故、スケジュール管理責任をこちらへ転嫁するなど、自分に都合の悪い事 は全て他人のせいにするという行動に現れているのかもしれない。 このままでは、サイトが成功しなかった時の責任までこちらにあると言い出す のも時間の問題だろう。

事業モデルは、わしだったら成功する為に解決すべき問題が大き過ぎて、 絶対手を出さない内容だ。

しかし、「世間知らず」故に果敢に成功を夢みてこの不景気にも係わらず、 SI業者に金を出してくれるのだから、ある意味感謝せねばならないのだが、 余りの暴若無人ぶりに、作るサイトは既に情で必要以上の機能を盛り込む なんて事は少しも思わなくなってしまっている。

それに、元々、莫大な投資を行わないと成功する確率が極めて低く、 発注業者にはそれを行えるだけの資金は無い。そして、コンテンツ内容で 勝負するにも、その能力も無い。 そして、こちらが積極的に内容に係われば、それだけ失敗した時の 責任転嫁の口実を与えるだけだし、これは、下手な延命措置よりは、 自然淘汰の原則に従ってもらうしかないだろうな…。

Nov. 24,2000 すごい会社2

発注側の企業の“すごさ”は、これに留まらない。

そもそも、これからインターネットを使って商売しようというのに、なぜか メイルは Excite mail だし、 しかも、メイルクライアントを使わずにブラウザを使った Web ベースなのだ。

発注企業の人は、プロバイダに加入していながら、プロバイダのメイル アカウントを使用していない様なので、おそらく、ブラウザなら何とか 使えるが、メイルクライアントは使えないレヴェルなのだろう。

最近、ようやく自社ドメインサーバを立ち上げたようなのだが、未だに 誰でもタダで使えて身元も怪しい Web ベースのメールをビジネスで 使っている。

なんで自社ドメインのメイルアカウントを使わないのだろうと思うのだが、 発注企業の自社ドメインは、どこかのプロバイダへ依頼しているようだ。

そして、こちらが構築するサイトのドメイン申請などは、そのプロバイダへ 依頼した方が安いだろうに、「申請をお願いしたい」と言ってきている。 想像するに、自社サイト立ち上げ時に「メールをウェブで見れるようにしろ」 とかプロバイダに無理難題を言ったんじゃなかろうか? と思ったりする。

で、普通はそんなのサービスに含まれないから、プロバイダも「できません」 なんて言っていると、発注企業の人が「もういい」とかキレてドメイン申請 をウチへ依頼してきたのではないかと邪推したりする

多分に憶測が含まれているが、プロバイダとの関係が良好なら、普通は そちらに依頼するはずなのに、こちらに言ってくるというのは、きっと、 ウチに限らず、あちこちで無茶な事を言いまくっているんだろうな…。 まぁ、発注企業はそんな感じなのだ。

発注企業の人とのメイルのやり取りも大変で、仕様の確認で 問い合わせをしてもまず返事が無く、こちらの仕事が全然進まない。

しまいには、「メイルでポロポロ送られるのは嫌なんですよ! 直接話したい のでこちらまで来て下さい」とか言い出す始末。

「直接来い」と行ってもこちらは大阪であっちは東京だ。移動に時間が かかるし、行ったところで現在の開発には全く関係の無い世迷事を延々と 聞かされるだけだから、こちらには全くメリットがない。

確かに向こうは大金を払って開発しているので、夢を語りたいのは解るが、 それは社内でやりゃいい事で、わざわざ大阪から人を呼びつけてやる事では 無いだろう。

だいたい「インターネット」で飯を食おうというのに「メイル嫌い!」で 商売ができるのだろうか? 発注企業は普段どんな仕事をしているのか、 一度見てみたいものだ。

Nov. 20,2000 すごい会社

受託でとあるサイトの構築をやっているが、これがとてもすごいのだ。

そのすごさと言うのは、作るサイトが、いわゆるよくあるドットコム企業 ネタのパクりなのであるが、わしに対して方針を言うにしても 「○×のパクりでいきます」なんて恥も外聞も無く言う。

しかしながら、内容をを作る上で、いくら「パクりでいきます」と 言っているからと言って、SI業者がパクるのは法的問題が起こった場合、 「SI業者が勝手にやった」と言われるのがオチなので 「著作権上の問題があると困るので仕様を提出して下さい」とお願いした。

ところが出て来た仕様が酷いもので、色んなサイトからそのままパクった モノの寄せ集めだった。 「著作権上の問題があると困るので」と言っておいたにも係わらずこれなの だから、こちらが何を言わんとしているのか、本質的な事をさっぱり 解っていないご様子。

パクりというのは、よそ様の良いところの本質を理解して、エッセンスを 抽出し、より良いモノにして自らに採り入れる事で初めて活かされるという のが真髄だ。

ところが、そこが提出した仕様というのはどうだ? まんまパクりでかつ、 自分のところに合う様に変更すらしていない。 オリジナルを超えるどころか、それよりも格段に悪くなっていて、なおかつ、 内容が論理的に破綻しているので、無い方がまだマシという代物だ。 企画をウリにするはずの企業がこれでは余りにお粗末だ。

いや、まてまて、もしかしたら、ちゃんとネタ元の許諾は取っている かもしれないから、内容が腐っているのは別にして(^^; 「まんまパクり」という結論は早計かもしれん。

「著作権問題がクリアな仕様を要求して出て来たものである為、当然、それら 問題はクリアされているもの」とわしは強く信じているぞ。いやホント:-)

もし、発注者が「SI屋が勝手にやった」なんて責任をなすりつけようとしても、 こちらは「善意の第三者」として要件を満たす為の忠告はしているのだから、 全ての責任をこちらにかぶせるのは不可能だろう。まぁ、そんな問題が 起こるなんて、絶対あり得ない。

なぜなら、著作権上の問題はクリアされているはずなのだから:-)


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Yuji Noizumi
Last modified: Mon Nov 27 01:07:53 JST 2000