What's new Jul. 2001


Jul. 02,2001 すごい会社(完結篇)

「すごい会社」の運営する予定のサイト構築に関する顛末を書いてきたが、 今回はその最終回。

わしらが構築したサイトは大まかに分けて、一般のお客さんが閲覧する部分と、 サイト運営側が閲覧する管理部分の二つで構成されている。

一応、12/15 からオープンという事なので、わしらは準備を進めていたが、 それまでに、「すごい会社」の担当取締役は仕様書はロクに読まないし、 「仕様書と仕様があっているか確認して下さい」と SE が言おうものなら、 「お前のところは客にチェックさせるのか!?」 などとキレる始末。

# ぢゃあ一体誰が「これでよい」と判断するんじゃ?

また、アクセスログを見ている限り、「すごい会社」は、実際のお客さんの つもりになって試すとかもせず、実際に管理運営する上での管理ページなど、 全く触りもしない状況だった。

前日になっても相変わらず「サイトオープンは○時でできますか?」などの確認 は一切無い。本当にこれでオープンして良いものかと向こうからの連絡を 待っていると、当日午後14時位になって「すごい会社」の社長から電話が かかって来て、「朝から待っているのにどうなっているのですか?」と言って 来た。

# んなもん、オープンさせても良いか解らない状態で勝手にオープンさせる訳 にもいかんだろうに…

とりあえず、HTTP Authentication をかけて、誰にでも見れなくしていた状態 を外し、公開可能にはした。
しかし、オープン予定から三日過ぎてもオープン広告をうった気配は無く、 その間に Web Page のデザインをああだこうだと直させた。そして、オープン は20日にするといい出した。

結局、15日に急いで「公開可能にしろ」とせかしておきながら、「すごい会社」 が用意するコンテンツの不手際により、未だ公開可能な状況では無かった訳だ。

結局、20日を過ぎてもオープン広告をうった気配は無い。そして、相変わらず アクセスログを見ても、「すごい会社」で運営管理のページをロクに触った 形跡もない。

で、わしもお節介だから、「運営管理のページを全く触っておられないよう ですが、運営は大丈夫ですか?」とメイルに書いて送ったところ、「会員登録 をできないようにしてくれ」と担当の取締役は言って来た。

そして、管理運営ページのマニュアルを要求して来た。見積の段階で、ケチり まくってあらゆるマニュアルの類は無しにしたにも関わらず、平気でこういう 事を言ってくるのだから困ったものだ。

往々にして、触ろうともせずにマニュアルを要求する様な輩は実際にマニュアル があろうとも、まずまともに機能を使えもしないものだ。

だいたい、HTMLでの表現に限定される Web の cgi でできる事なんぞたかが 知れている。ラジオボタンやチェックボックスをチェックし、空欄に文字を 埋めたりする位しかする事は無いので、おおよそ触ろうとする意志がある ならば、直観的に解るはずである。

また、サイトの運営管理に関する事は、本来そのサイトの運営者が 「こうしたい」と仕様を提示するものであるが、「すごい会社」からは殆んど 仕様の提示は無く、ほとんど全てわしが考えて作ったのである。

つまり、「すごい会社」は、外面をよそからパクれても、サイト運営ノウハウ という内面の肝まではパクれないので、運用方法すら明確なビジョンを持ち 合わせていないのだろう。だから、管理運営ページを触れもしないのだ。

結局、サイトの方はそのままで、12/27 に「すごい会社」の社長と担当 取締役がやって来て、運用管理の使い方のレクチャーを受けに来たのと、 ウチの会社の社長と専務とで今後についての 4者会談をしたらしい。

「すごい会社」の言い分としては、「そちらの作業が遅れたせいで営業が できなかった」などと寝言を言っていたらしい。

ウチの社長がメイルのやり取りを見せながら、「10/12と10/16にそちらが 大幅な追加仕様をして、野泉が反対していたにも関わらず、無視して専務に ねじこんで強引にやらせたせいでスケジュールが遅れたんじゃボケ!」 (大幅な意訳(^^;)と言ったら、 「すごい会社」の担当取締役はしゅんとなってスネてしまったようだ:-)。

まぁ、この担当取締役はこの仕様追加の一件でわしを大層嫌っていた様で、 「野泉さんの存在する会社とは今後一切つき合わない」とか、「野泉さんが 謝罪するまで絶対に許さない」と打合せの時に言っていたと営業や SE の人 から聞いた。

# 年齢は31歳だそうだが、精神年齢は実年齢より更に25歳以上若いようですな。うらやましい:-)

それと、予想通りと言おうか、どうも「すごい会社」の資金繰りが悪化して いるみたいで、これ以上投資する金も無いのか「もうサイト運営やめます のでお金返して」という事らしい。

作ったサイトが日の目を見ないのは残念ではあるが、もともと成功するとは 思えなかったので、ある意味傷が小さい内に手を引く事ができて良かったかも しれない。


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Yuji Noizumi
Last modified: Tue Jan 2 06:42:15 JST 2001