幻想

以前、親戚のおじさんに「楽天で店出して商売すればいいのに」とか言われたが、具体的に何を売ればいいとかいう話は無くて、単に「楽天で出店する」という事のみ。

店を開くという事は、通常、利益を追求する事が目的で、「じゃあ、何を売って利益を上げるのか?」という事が重要なはずだが、その点には一切言及が無く、楽天で出店する事が目的化している。

これは、「道具を使えば、劇的に何かが変わる」という幻想があると思われる。

楽天を利用した人なら分かるだろうが、店を選ぶ側の視点で見れば、次の条件のいずれかが必要となる。

1.検索で一番上にリストされる事
2.他店では扱っていない商品を扱う事
3.他店でも扱っている商品が一番安い事

ちなみに、商品は安いと見せかけて送料でボるという詐欺的手法もあるが、それは本筋ではないので除外する。

2.は、他で扱っていない商品が検索されれば、検索で一番であり、3.は安い順で検索されれば検索で一番なので、結局は「検索で一番上に表示される事」に尽きる。

ただし、1.は、2.と3.の条件に合致しない場合、楽天に上納金を払って、関連(こじつけw)キーワードにより、「お勧めの店」にして貰って、検索上位に表示して貰うようにするという手段もある。

これは、費用対効果で、得られる利益>楽天への上納金 という場合に有効で、いわば、広告宣伝費みたいなもの。

さあ、ここまで書いたら分かると思うが、普通に店を構えて商売するのと基本は変わらない。

普通に店を構えて商売して、成功するだけの要件を備えているのであれば、楽天に出店して、利益拡大の可能性を増やすというのは理に適っている。しかし、何を売って利益を上げるのかの計画も無く、いきなり楽天に出店する事から始めるってのは本末転倒だろう。

「パソコンを買えば、自分は仕事がバリバリできるように劇的に変わる!」
などと思ってパソコンを買った人が居たとすれば、問いたいが、「変わったか?」

結局、道具は、使う人が有効に使えるかどうかで結果が決まる。
解決すべき問題点を整理しないまま、闇雲に、「道具を使う事で劇的に変われる」と思い込むのは愚の骨頂だろう。