月末処理で、仮払金と預り金を精算して、プラスになれば雑収入、マイナスになれば、損失という処理がある。
わしが入社した当時は、上司が表を印刷したものに書き込みながら電卓を叩いて1〜2時間かけてやっていたものである。
表計算ソフトに数字を入力すれば自動計算できるのに、表計算ソフトで空の表のフォーマットを印刷して、メモに落書きしながら、表を埋めつつ、電卓を一生懸命叩くなんてバカな事はやりたくない。
とりあえず、自動化の為の条件の洗い出しを行った。
たとえば、
仮払金 預り金
10,500(税込) 30,000
10,000(税抜)
という場合、
30,000 – (10,500+10,000+500) = +9,000
「9,000の雑収入」
逆に預かり金が少ない場合、
仮払金 預り金
10,500(税込) 10,500
10,000(税抜)
10,500 – (10,500+10,000+500) = -10,500
「損失10,000円と仮払消費税500円」
という事をやらなければいけない訳だ。
鬱陶しいのが、損失には消費税を含めてはいけない事だ。
雑収入となる場合は、消費税は預り金で相殺できるので、考えなくても良いが、損失の場合は、支払った消費税は残さねばならない。
加えて、仮払金に消費税込みと消費税抜きが混在していて、これが処理を複雑にしている。
とりあえず、表計算ソフトで、各仮払金に税込か税抜かを明示するようにし、「税込」で内税欄、「税抜」で外税欄に消費税が自動で入るようにした。
これで仮払金と外税の合計を足した額が預り金精算対象となる訳だ。
そして、預り金が残れば、雑収入、マイナスになれば損失となり、雑収入はそのまま計上で、損失の場合は、1.05で除して損失と消費税を分けて計上するという事になる。
消費税部分は、経理の仮払金の精算の都合上、さらに内税と外税の金額割合の按分で分けるという事をしたが、小数点以下四捨五入処理がふんだんに入ってしまったので、それぞれに1円単位の誤差が出て来る可能性があり、どうするべきか…
と考えていると、上司が「何を思案してるんや?」と声をかけてきた。
「○×の表を作っています」と言うと、「そうか」と言って去って行ったが、「仮払金と預り金精算で困っています」と言おうものなら、上司はメモにあやしい数字を落書きしながら、黙々と電卓を叩き、「電卓を叩くスピードが速いだろう?」と言わんばかりのデモンストレーションをやってくれた事だろう。
上司は、やたらと、わしにこの「デモンストレーション」を見せたがるが、Excelでそういうバカげた事をしなくても良いというのを見せても、まだやめようとしないから、昔のスタイルに拘る人って訳でも無さそうだ。
もし、昔のスタイルに拘る人ならば、30分かけて自分がやっていた事が、数秒で終わるのを見せられれば、普通は恥かしくなってやらなくなるだろう。
なぜ、上司がこの「デモンストレーション」をやりたがるのか?というのには一つ思い当たる事がある。
わしにあてがわれている電卓は腐ってて、キーを押しても入らないから、慎重に確認しながら叩いているのだが、それを見た上司がわしの弱点だと勘違いして、「電卓を叩くスピードなら勝てる!」と思ったのかもしれん。
仕事の成果より、しょうもない事の勝ち負けに拘ってる気がするなあ。
とりあえず、仮払預り金精算は、今後10分程度で終わる作業になるので、 来月からは更に楽ができそうだ。