中学時代の記憶を辿る

思い出した事

Yが告白してきた時、わしは最初から敵と認識していたので、「もし、本当だったら…」なんて微塵も思わなかった。

じゃあ、なぜ最初から悪意があると認識できたのかを思い巡らすと、わしが学校へ持ってきてはいけない物を生活委員だったYが見つけ、先生にチクられた件があったからだ。

たしか小型のラジカセだったと思うが、チクられたのが当日では無かったので、社会科教師に没収はされはしなかった。しかし、鼻を摘まれる体罰は受けた。

好意を持ってる人を先生にチクるなんてしないだろう。
当時、わしは不良と友達だったが、面白い奴だったし、そいつが便所でタバコ吸っててもチクらなかった。

その不良と仲良くなったきっかけは、席が隣同士になった時に、そいつが「隣がこんな暗い奴で嫌になる」と愚痴ったので、「暗くて悪かったな」と言い返した事だろうか。

多分、不良にしてみれば、その出で立ちから、皆に、腫れ物に触わる様な扱いをされていて、真っ向からぶつかって来る人物は珍しかったのかもしれない。

しかし、「暗い奴」って、随分な評価をしてくれたものだ。かわいそうな中学時代のわし…。

で、Yの告白OKしたのは、悪意をもって、わしをハメようとしているのだから、いつか逆にハメてやろうと思ったからだ。性的な意味じゃないよ(笑)

告白という、向けられた悪意にどうするか考えて、即振っても大して効果が無いと思ったから、「暫く待ってくれ」って答えて、後日OKしたんだった。

友達同士を仲違いさせる為の告白という悪趣味な事をYがやっていたのは、容姿がそれなりに良いせいで、今まで余り振られた事が無かったからだろう。

なので、元々好きでもない奴から「嫌い」と言われたところで、大してダメージは無いとわしは考えた。

だから、復讐するには、公衆の面前で「お前の告白の返事だけど、嫌いだから付き合えない」と言ってやるのが一番ダメージデカかったかもしれんな。

衆人の前で「振られた」という事が知られる事で、Yが恥をかくのもあるが、どうせ、その後にわしの親しい友人に告白するのだろうし、他の人にもYの下衆さが分かったかもしれないから、それが一番良かったかもしれん。

ただ、それをやった後にYに好意を寄せている者から嫌がらせされたかもしれんし、下手をすると、亡き者にされていたかもしれず、やっぱり人に恨みを買う事はやらない方がいいな。

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