ふと、iReadyというのを思い出し、どうなったのかな?と調べたら、nvidiaに買収されていた。www.iready.comもヘンなのに乗っ取られてる(笑)
携帯メール端末開発で、わしがこの会社に関わったのは10年前の事になるが、TCP/IP、SMTP、HTTPなどのプロトコルをハードウエアで処理する専用チップを作っている会社だった。
まあ、このヘンの話なのだが、暴露したろ 🙂
ネットワークを専用ハードウエアで処理するという事は、バグが一切なければ、その辺りの処理のソフトを実装しなくて済むし、CPUパワー要らないし非常に面白いモノができただろう。
で、わしはそのチップのデバッグをやっていた。
Linuxで擬似プロバイダのサーバをおっ立てて、通信専用チップにメール読ませたりしようとした。しかし、通信がうまくできない。
クラスAのprivate IPアドレスを使っていたのだが、tcpdumpコマンドで確認してみると、ソースコードでは、10.0.0.1のサーバにリクエスト出してるのに、15.0.0.1に向けてリクエストが飛んでいた。
LinuxマシンにネットワークaliasでそのIPをこしらえると通信ができた。
しかし、IPアドレスが化けるというのは明らかにおかしい。専用チップをドライブする方法を何度も確認してテストしたが化けた。
で、問い合わせると、このバグは深刻ですぐには直せない。という事でプロジェクト破綻。わしがプロジェクトを潰したった(笑)。
どうやらiReady社では、クラスCのプライベートアドレスでテストしていたので、このバグは分からなかったようだ。
まあ、NECはiReady社に出資して、株売却で儲けたので、このプロジェクトでは損が出なかったらしい。
しかし、気になるのは、こちらがiRedyのi-1000を採用しようとテストしていた時点で、東芝は既に採用したというプレスリリースを出していたが、東芝の担当者はこのバグ気付かんかったのか?
東芝のプロジェクトがどういう結末を辿ったのか気になるが、まあ、あれ以後、話が表に出て来てないので、便りがないのは良いしらせかな? 🙂
で、当時は書けなかったネタをもうひとつ。
携帯メール端末開発で、企画担当が、「絶対に付ける」と言い張ったおバカ機能について。
この話なのだが、当時のNECの携帯電話には、圏内か圏外かが分かるボタンが付いていた。
押すとピーピーうるさいボタンだが、音声端末というのは、盲目の人も使うので、圏内か圏外が音で分かるボタンというのはそういう人にとっては、メリットがあるだろう。
で、企画担当は携帯メール端末にもこの圏内か圏外か押すと分かるボタンを絶対に付けると言い張って聞かない。
ちなみに、このメール端末は、音声機能は搭載せず、盲目の人が使う事は想定していない。
そして、メール送信時に圏外であった時、メールをプールし、圏内に入ったら自動的に送信するという仕様が盛り込まれていて、メールを送信する為に圏内の場所を探して送信しなければならないという事態がそもそも発生しない。
仮に即座にメールを送信しなければならない事態で、圏内を探し回らなければならない場合だと、普通の人なら、端末を開いて、液晶でアンテナピクトを確認しつつ移動するという事になるだろう。
端末を閉じたまま、圏内確認ボタンを何度も押しまくって圏内を探し回るのは、周りから見てもマヌケだし、実際にマヌケだ。
まあ、DQN属性のバカにとっては、ボタンを押したらピカピカ光るだけで嬉しいのかもしれないが、機能としては全くの無意味であるのは言うまでもない。
こんな合理性のカケラも無い無駄な機能に拘って、会議で5時間も粘るんだから、度し難い。
そして、散々反対しまくったハード、ソフト技術者数人を差し置き、この企画担当のバカ一人の意見を採用した部長も何を考えてるのかさっぱり分からん。
まあ、能力のある人材だったら、NEC本社から、大赤字家電子会社へ出向なんかさせられていないだろうけどな 🙂
後にモバイルウエアエクシーレというメール専用端末が出て、問答無用でPOP before SMTPをやり、無駄なパケット代使わせやがってとユーザクレームになっていた事があった。
とある掲示板で、 「俺に開発をやらせろ。まともな商品を作ってやる」という大学生が居たけど、いくら現場がまともでも、上に度し難い人が居て、極めて非合理的判断をされるので、まともな商品なんかできっこ無いんですよ〜って当時は言いたかった(笑)